AIが店を薦めるとき、何を見ているのか|AIO対策の実際
ChatGPTやGeminiに「この辺のおすすめの店」を聞く人が1年で7.5倍に増えました。AIが店舗を推薦するときに読んでいる情報源を調査データで明らかにし、店舗が今すぐ手を打つべきAIO対策を具体的に解説します。

はじめに
「この辺でおすすめのラーメン屋は」
この質問を、検索窓ではなくChatGPTに打つ人が、急速に増えています。
そのときAIは、何を根拠に店を選んでいるのか。そして店舗側は何をすればその名指しに入れるのか。
結論から書きます。AIが読んでいるのは、Googleビジネスプロフィールと口コミ、そして自社サイトです。MEO対策でやることと、ほぼ同じです。
この記事では、その根拠と、今すぐ着手できる対策を整理します。
AIで店を探す人は、1年で7.5倍に増えました
まず、どれくらいの人がAIで店を探しているのかを確認します。
BrightLocalが2026年2月に公開した調査(米国成人1,002名)では、**ローカルビジネスの推薦に生成AIを使う消費者は45%**でした。
前年の同じ調査では6%です。1年で7.5倍になりました。
日本でも同じ流れが起きています
ICT総研が2026年2月に公表した調査では、国内の生成AI利用率は 54.7% に達しています。
サービス別の利用率は次の通りです。
- ChatGPT — 36.2%
- Gemini — 25.0%
- Microsoft Copilot — 13.3%
- Claude — 4.3%
このうち、検索の用途で使われている割合は次の通りでした。
- ChatGPT — 29.1%
- GoogleのAIモード — 21.0%(10代では33.5%)
- Gemini — 15.6%
年代差は大きく、**20代の利用率は69%、60代は37%**です。
若い世代ほど、店探しの入口がすでにAIに移っています。
検索結果の上部にもAIが入り込んでいます
自分からAIに聞かなくても、Google検索の結果画面の一番上にAIの回答(AI Overviews)が表示されるようになりました。
Whitesparkの2026年の分析によれば、ローカルビジネス系のクエリの68%にAI Overviewsが表示されています。従来のローカルパック(地図と3店舗が並ぶ枠)の表示率が39%であることと比べると、その差は明らかです。
つまり、地図の枠より先に、AIの回答が読まれています。
AIは何を読んで、店を薦めているのか
ここが本題です。
AIがローカルビジネスを推薦するとき、参照している情報源は主に4つです。
1. Googleビジネスプロフィール
これが土台です。
店名、住所、カテゴリ、営業時間、電話番号、写真。AIが店を「理解する」ための基本情報は、ほぼここから取られます。
ChatGPTが地域の店を薦めるときも、GeminiがAI Overviewsで回答を組み立てるときも、この情報が骨格になります。
2. Googleの口コミ
口コミは、AIにとって「その店がどんな店か」を説明する言葉の供給源です。
「深夜まで営業していて助かった」「子連れでも入りやすかった」「駐車場が広い」
こうした口コミの文章が、そのままAIの回答に反映されます。
だからこそ、星の点数だけでなく文章の中に具体的なサービス名や特徴が入っているかどうかが効きます。
3. 自社サイト
メニュー、価格、対応できること、こだわり。
これらは、Googleビジネスプロフィールにも口コミにも書ききれません。自社サイトが唯一の一次情報になります。
4. 地図・ディレクトリ・SNS
食べログ、ホットペッパー、Instagram、各種まとめサイト。
Omniscient Digitalが2万3,000件超のAI引用を分析した結果によれば、AIの回答が引用する情報の約77%は、自社サイトの外側にある情報でした。
第三者の場所に書かれている情報のほうが、量としては多く引用されています。
AIO対策に、特別な裏技はありません
ここは正直に書きます。
「AI Overviewsに表示されるための特別な最適化」というものは存在しません。Google自身が、AI OverviewやAIモードに表示されるための追加要件はないと説明しています。
前提条件は、通常のGoogle検索にスニペット付きでインデックスされていることです。掲載や引用を保証する手段もありません。
これは悪い知らせのようで、実は良い知らせです。
MEOのためにやった作業が、そのままAIO対策になるということだからです。新しく覚え直すことはありません。
店舗が今すぐやるべき4つのこと
1. Googleビジネスプロフィールを埋めきる
未入力の項目をなくします。
- カテゴリ(メインとサブ)
- 営業時間(祝日・臨時休業も)
- 電話番号、ウェブサイトURL
- 提供サービス、設備情報
- 写真(外観・内観・商品)
AIは、書かれていないことを推測して補いません。空欄は「情報がない店」として扱われます。
2. 口コミに具体的な言葉が入るようにする
「おいしかった」だけの口コミは、AIにとって使いどころがありません。
「平日のランチで利用」「駐車場が停めやすい」「離乳食の持ち込みができた」のように、具体的な状況が書かれた口コミほど、AIが引用しやすくなります。
口コミをお願いするとき、「よろしければ、どんな場面でご利用いただいたかも書いていただけると助かります」と一言添えるだけで、書かれる内容は変わります。
ただし、内容を指定したり、良い評価だけを選んで依頼したりすることはGoogleのポリシーで禁止されています。この線引きは別記事で詳しく解説しています。
3. 自社サイトを一次情報として整える
営業時間の変更、メニューの改定、価格の改定。
これらがサイトに反映されていないと、AIは古い情報のまま店を説明し続けます。
「行ってみたら閉まっていた」「値段が違った」という事故は、AIの誤りというより、更新されていないサイトが原因です。
自分で更新できる状態にしておくことが、そのまま対策になります。
ホームページは必要?自分で更新できるCMS型サイトという選択肢
4. 情報の食い違いをなくす
Googleビジネスプロフィール、自社サイト、食べログやホットペッパー、SNS。
店名の表記、住所の書き方、電話番号、営業時間がバラバラだと、AIはどれを信じるか判断できません。
表記を1つに統一し、変更があったときはすべてを同時に直す。地味ですが、効果は確実です。
AI経由の訪問者は、質が高い
対策の優先度を考えるうえで、知っておくべき数字があります。
Semrushの2025年の分析やAdobeの調査によれば、AI経由で流入した訪問者は、従来の検索経由と比べて次の傾向があります。
- 訪問者としての価値が 4.4倍
- 直帰率が 27%低い
- 滞在時間・閲覧ページ数が 38%多い
AIの回答を読んだうえでリンクをクリックしている人は、すでに検討がかなり進んだ状態で来ます。
流入数だけを見ると小さく見えますが、来店や問い合わせにつながる確率は高くなります。
気をつけるべきこと
表示は保証されません
繰り返しになりますが、AIの回答に載る保証はありません。
「AIO対策を保証します」と謳うサービスがあれば、そこは慎重に見るべきです。できるのは、引用される条件を整えることまでです。
古い情報が残り続けます
一度AIが学習した情報は、すぐには更新されません。
だからこそ、情報を古いまま放置する期間を短くすることが重要になります。
口コミの内容は操作できません
AIは口コミの文章を読んでいます。しかし、その文章を店舗側が書かせることはできません。
できるのは、書きたくなる体験を提供し、書きやすい導線を用意することだけです。
まとめ
- 生成AIで店を探す人は1年で6%から45%へ、7.5倍に増えました
- 日本の生成AI利用率は54.7%、20代では69%に達しています
- ローカル系クエリの68%にAI Overviewsが表示されています
- AIが読んでいるのは、Googleビジネスプロフィール・口コミ・自社サイト・第三者サイトです
- AI引用の約77%は自社サイトの外側の情報でした
- AIO対策に特別な裏技はなく、MEO対策がそのままAIO対策になります
- AI経由の訪問者は、直帰率が27%低く滞在時間が38%長い、質の高い流入です
やるべきことは、プロフィールを埋め、口コミを絶やさず、サイトを最新に保つこと。この3つに尽きます。
全体像はこちらで解説しています。
MEO対策とAIO対策の答えは、Googleレビューとサイトアクセスです
Webサイトの整備やAI時代の集客導線についてのご相談は、こちらからどうぞ。